「科学とは、結果の知識であり、ある事実が別の事実に依存することの理解である」

- 1588年4月5日~1679年12月4日(91歳没)
- イングランド出身
- 哲学者、政治思想家、社会契約論の提唱者
英文
”Science is the knowledge of consequences, and dependence of one fact upon another.”
日本語訳
「科学とは、結果の知識であり、ある事実が別の事実に依存することの理解である」
解説
この言葉は、ホッブズが科学を因果関係の体系的理解として捉えたことを示している。彼にとって科学とは、単なる経験や観察の集積ではなく、事実と事実の結びつきを論理的に説明する知識であった。すなわち、出来事の「なぜ」を明らかにし、その結果を予測可能にすることこそが科学の本質とされたのである。
この考え方は、17世紀ヨーロッパにおける近代科学の誕生と重なる。ガリレオやデカルトらが数学的法則によって自然現象を説明しようとした時代に、ホッブズもまた因果関係を基盤とする学問観を提示した。彼の関心は社会や政治の分析にも及び、人間の行動や国家の仕組みを因果の視点から説明しようとした点に特徴がある。
現代においても、この定義は有効である。科学は依然として、因果関係の解明と予測可能性を追求する営みであり、物理学から経済学、社会学に至るまで幅広く適用されている。ホッブズの言葉は、科学の核心が「事実間の依存関係を明らかにすること」にあるという視点を与え、学問の普遍的基盤を示しているのである。
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