「余暇は哲学の母である」

トマス・ホッブズ(画像はイメージです)
トマス・ホッブズ(画像はイメージです)
  • 1588年4月5日~1679年12月4日(91歳没)
  • イングランド出身
  • 哲学者、政治思想家、社会契約論の提唱者

英文

”Leisure is the Mother of Philosophy.”

日本語訳

「余暇は哲学の母である」

解説

この言葉は、ホッブズが哲学の起源を人間の生活条件に結びつけて捉えたことを示している。日々の生存に追われている状態では深い思索は生まれにくく、余裕ある時間と環境があってこそ人は抽象的・根源的な問いに向き合えるという洞察である。

この発想は、古代ギリシアの伝統とも響き合う。アリストテレスもまた「余暇から哲学が始まった」と述べており、ホッブズもその系譜に立っている。17世紀のヨーロッパは科学革命の時代であり、学問や思想が急速に発展した背景には、社会的安定や知識人の活動を支える新たな余暇の空間が存在していた。ホッブズはそれを哲学の母胎として意識したのである。

現代においても、この言葉は意味を失っていない。多忙な労働や情報過多の社会では、余暇を確保しなければ深い思考や創造は困難である。哲学だけでなく、科学や芸術においても自由な時間が創造の条件であることは普遍的である。ホッブズの言葉は、思索の豊かさが生活の余裕と不可分であることを示唆しているのである。

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