「私は最後の航海に出ようとしている。暗闇への大いなる飛躍だ」

- 1588年4月5日~1679年12月4日(91歳没)
- イングランド出身
- 哲学者、政治思想家、社会契約論の提唱者
英文
”I am about to take my last voyage, a great leap in the dark.”
日本語訳
「私は最後の航海に出ようとしている。暗闇への大いなる飛躍だ」
解説
この言葉は、ホッブズが死を前にして述べたと伝えられる言葉として有名である。人生を航海に喩え、死を「暗闇への跳躍」と表現することで、未知への恐れと覚悟を示している。ここには、理性によって自然や社会を分析したホッブズですら、死後の世界を知ることはできないという認識が込められている。
この言葉が出てきた背景には、17世紀という激動の時代がある。科学革命や宗教対立の中で、ホッブズは合理主義的に人間社会を説明したが、死の瞬間だけは理性でも説明できない絶対的未知として残った。「暗闇」とは、宗教的救済を強調する時代にあって、確実な知識を重視した彼らしい冷徹な表現である。
現代においても、この言葉は深い示唆を与える。死は誰にとっても避けられない「最後の航海」であり、その本質は依然として未知である。ホッブズの言葉は、死を恐怖としてではなく、理性を尽くした者が迎える未知への跳躍として受け止める姿勢を表しており、人間存在の限界と向き合う勇気を教えているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「トマス・ホッブズ」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い