ダ・ヴィンチ「四つの力がある。記憶と知性、欲望と貪欲である。最初の二つは精神的なもので、残りは感覚的なものである。三つの感覚、視覚、聴覚、嗅覚は防ぐことが難しく、触覚と味覚は全く防ぐことができない」

レオナルド・ダ・ヴィンチ
  • 1452年4月15日~1519年5月2日
  • イタリア人
  • 万能人(画家、彫刻家、建築家、発明家、科学者など)
  • 絵画「モナ・リザ」や「最後の晩餐」をはじめとする芸術作品の制作、さらに「飛行機の設計図」や「解剖学の研究」などの科学や工学における先駆的なアイデアも多く残した

レオナルド・ダ・ヴィンチ – Wikipedia

英文

“There are four Powers: memory and intellect, desire and covetousness. The two first are mental and the others sensual. The three senses: sight, hearing and smell cannot well be prevented; touch and taste not at all.”

日本語訳

「四つの力がある。記憶と知性、欲望と貪欲である。最初の二つは精神的なもので、残りは感覚的なものである。三つの感覚、視覚、聴覚、嗅覚は防ぐことが難しく、触覚と味覚は全く防ぐことができない」

最初に

この名言は、レオナルド・ダ・ヴィンチが人間の精神と感覚の力について述べたものである。彼は、人間の力を四つに分類し、それらが精神的なものと感覚的なものに分けられると指摘している。この言葉は、私たちが内面の精神的な力と外界からの感覚的な影響をどのように受けているかを理解するための洞察を提供している。

解説

ダ・ヴィンチは、人間の心と体が相互に作用することを深く理解していた。ここで彼が述べている「四つの力」は、記憶と知性という精神的な力、そして欲望と貪欲という感覚的な力に分けられている。彼は、記憶と知性が理性的な力であり、これによって人間は過去の経験を思い出し、将来の判断を行うことができると考えていた。一方、欲望と貪欲は感覚を通じて生じる衝動であり、これらはしばしば理性を超えて人間の行動を支配することがある。

「三つの感覚、視覚、聴覚、嗅覚は防ぐことが難しい」という部分は、これらの感覚が外界からの刺激に対して非常に敏感であり、私たちが意図的に制御することが難しいことを示している。視覚や聴覚、嗅覚は、外部の世界から絶えず情報を受け取り、それに反応する感覚であり、私たちが完全に防ぐことはほとんどできない。さらに、「触覚と味覚は全く防ぐことができない」という部分は、これらの感覚がさらに直接的であり、完全に遮断することが不可能であることを強調している。

この名言は、人間が感覚をどのように扱うかについての教訓を含んでいる。感覚は私たちの生活に大きな影響を与え、時には理性を超えて行動を決定づける力を持っている。ダ・ヴィンチは、精神的な力である記憶と知性が重要である一方で、感覚的な力である欲望や貪欲が私たちを誘惑し、理性的な判断を難しくすることを示唆している。

この考え方は、現代においても非常に重要な教訓を持っている。私たちが日々の生活の中で外界からの多くの刺激を受け、感覚に基づいた反応をする一方で、精神的な力でそれを制御し、バランスを取ることが求められる。ダ・ヴィンチのこの言葉は、感覚に支配されないようにしつつ、理性的な力を強化していくことの重要性を教えている。

結論

レオナルド・ダ・ヴィンチのこの名言は、記憶と知性という精神的な力と、欲望と貪欲という感覚的な力の違いを強調している。彼は、感覚的な力は強力であり、しばしば理性的な判断を超えて私たちを支配することがあると警告している。この言葉は、私たちに感覚と精神のバランスを意識し、理性的な力を強化することの重要性を教えており、感覚に翻弄されないための洞察を提供している。