マザー・テレサ「平和を最も破壊するものは中絶です。なぜなら、母親が自分の子供を殺すことができるのなら、私があなたを殺し、あなたが私を殺すのに何が残っているでしょうか。何の障壁もありません」

マザー・テレサ

画像の出典:MotherTeresa 090 – ファイル:MotherTeresa 090.jpg – Wikipedia
  • 1910年8月26日~1997年9月5日
  • アルバニア系
  • カトリックの修道女で聖人
  • インドのカルカッタで「神の愛の宣教者会」を設立し、貧困層や病人、孤児への支援活動を通じてノーベル平和賞を受賞した

マザー・テレサ – Wikipedia

英文

“The greatest destroyer of peace is abortion because if a mother can kill her own child, what is left for me to kill you and you to kill me? There is nothing between.”

日本語訳

「平和を最も破壊するものは中絶です。なぜなら、母親が自分の子供を殺すことができるのなら、私があなたを殺し、あなたが私を殺すのに何が残っているでしょうか。何の障壁もありません」

最初に

この名言は、マザー・テレサが中絶に対する強い反対の姿勢を表明したものである。彼女は、中絶が生命の尊厳を脅かし、それが社会全体に深刻な影響を与えると考えていた。この言葉は、命の価値が軽視されるとき、社会全体が暴力や不和に陥る危険性を警告している。

解説

マザー・テレサは、生涯を通じて弱者や無力な人々の支援を行ってきた。特に、最も弱い存在である胎児に対する中絶行為を強く非難し、命の神聖さを守ることが平和の基盤であると信じていた。彼女の考えでは、母親が自分の子供を殺すことができる社会では、人間同士の間の殺し合いを止める道徳的な障壁が崩壊するという危機感がある。

「母親が自分の子供を殺すことができるのなら」という部分では、命の源である母親が最も基本的な命を守らない場合、それは命そのものの尊厳が否定された状態だとマザー・テレサは考えていた。彼女は、命を守ることが最も根源的な愛であり、その愛が失われると、他者への愛も失われ、社会が暴力や混乱に向かうことを恐れていた。

「私があなたを殺し、あなたが私を殺す」という表現では、生命に対する敬意がなくなれば、暴力や殺し合いが当たり前になるという危機感が表れている。中絶が許される社会では、人間の命の価値が相対化され、個々の命が軽視される結果、平和が根本から崩れるとマザー・テレサは警告している。

また、「何の障壁もありません」という部分では、命を守る道徳的な基盤が崩れると、平和を維持するための根本的な価値観も失われてしまうということが強調されている。彼女は、平和を築くためにはまず、最も無力な存在である胎児の命を守ることから始めるべきだと主張していた。この考えは、命の尊厳を守ることが、社会のあらゆる問題を解決するための基本であるという信念に基づいている。

この名言は、中絶が単なる個人の選択の問題ではなく、社会全体に深刻な影響を与える問題であるというマザー・テレサの強いメッセージを伝えている。彼女は、命を守ることが最も重要な道徳的責任であり、それが平和を実現するための唯一の道であると信じていた。

結論

マザー・テレサのこの名言は、中絶が平和を破壊する最も深刻な要因であるという強い主張を伝えている。彼女は、命の尊厳が軽視されるとき、社会全体が暴力や不和に向かう危険があると警告し、命を守ることが平和の基盤であると説いている。この言葉は、平和のためには最も弱い存在の命を守ることが不可欠であるというマザー・テレサの信念を強く反映している。

中絶に関する補足

マザー・テレサは中絶に強く反対していた人物として知られている。彼女のカトリック信仰と慈善活動における倫理観に基づき、生命の神聖さを守ることを重視していた。彼女は人間の生命は受胎の瞬間から神の贈り物であるとし、中絶はその生命を奪う行為だと考えていた。

中絶に関する論争

中絶は世界中で大きな論争の的となっており、肯定派と否定派の立場からそれぞれ異なる倫理的、法的、社会的視点が存在する。

中絶肯定派の立場

  1. 女性の自己決定権
    中絶を支持する側は、女性が自身の身体に対する完全な権利を持つべきだと主張している。これは、妊娠が女性の身体に大きな影響を与え、その過程での選択は本人が最も適切に判断できるという考えに基づいている。特に、望まれない妊娠や、レイプ・近親相姦のケース、または健康上の理由などで、女性が選択する権利が尊重されるべきだとされる。
  2. 公衆衛生の問題
    中絶が合法でない場合、女性が安全でない非合法な中絶を行うリスクが高くなる。これにより、命に関わる健康問題が生じる可能性があり、中絶の合法化は安全な医療手段へのアクセスを確保することを目的としている。
  3. 社会的・経済的要因
    一部の女性は、経済的に不安定な状況や子供を育てる準備ができていない場合に中絶を選ぶことがある。これにより、育児に十分な資源や環境を提供できない場合の負担や、無責任な子育てを避けることができると主張されている。

中絶否定派の立場

  1. 生命の神聖さ
    中絶を否定する側は、生命は受胎の瞬間から始まると考えている。そのため、中絶は胎児の生命を奪う行為であり、道徳的に許されないとする。特に宗教的背景を持つ人々や倫理観の強い人々は、この視点を重要視している。マザー・テレサもこの立場を代表する人物であり、生命を守ることが人間の基本的な責務だと考えていた。
  2. 代替手段の存在
    中絶の代わりに、養子縁組などの手段を提案することもある。望まれない妊娠の場合でも、他の家族に子供を託すことで生命を守ることができると考えられている。これにより、胎児の権利と女性の選択を調和させることが可能だという主張がある。
  3. 倫理的問題
    中絶否定派は、胎児がすでに人権を持つ存在であり、その生命を奪うことは殺人と同じだとする倫理的主張を行うことが多い。この立場から見ると、中絶は人道的に見過ごすことのできない行為であり、いかなる場合でも避けられるべきだとされる。

補足に対する結論

中絶をめぐる論争は、生命の始まりに対する考え方や、女性の権利、社会的な責任に対する異なる視点に基づいている。マザー・テレサのように強く反対する人物もいれば、女性の自己決定権を尊重する立場の人々もいる。どちらの立場も、それぞれの価値観や倫理観に基づいており、簡単に一方が正しいと結論づけることは難しい。論争が続く背景には、個々の信念や文化的な要素、さらには法的・社会的な問題が複雑に絡み合っている。