「国家が自由に行動できるとき、中国は強国と呼ばれるであろう。国家を自由にするためには、我々一人ひとりが自らの自由を犠牲にしなければならない」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”When the nation can act freely, then China may be called strong. To make the nation free, we must each sacrifice his freedom.”

日本語訳

「国家が自由に行動できるとき、中国は強国と呼ばれるであろう。国家を自由にするためには、我々一人ひとりが自らの自由を犠牲にしなければならない」

解説

この言葉は、国家の独立と個人の自由の関係をめぐる孫文の現実的かつ緊張感ある見解を表している。彼は、列強に囲まれた中国が自立し、国家として自由に振る舞えるようになることを「強国」の条件とみなした。その一方で、国民が制約なき自由を享受することは、国家の統一や独立を妨げる危険があると考え、個人の自由よりも国家の自由を優先する姿勢を示している。

この思想の背景には、当時の中国が国内の分裂と外圧の二重苦に直面していた現実がある。個人の自由が無秩序に拡大すれば、社会の分裂が進み、外勢に付け入る隙を与える。したがって孫文は、一定の犠牲を伴ってでも、国民が団結し、国家の独立と自由を確保することこそ最優先の課題としたのである。

現代においても、安全保障や国家的危機の際に個人の自由と国家の存立が衝突する問題は繰り返し議論される。孫文のこの言葉は、自由の絶対的価値を否定するのではなく、国家的自立を守るために個人がどのように自由を調整すべきかという政治的課題を投げかけるものであり、国家建設期特有の現実的要請を映し出している。

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