「資本家という少数者だけが豊かな生活を享受し、大多数の労働者が苦しみに耐えているような状況では、両者が平和と調和のうちに共存することは当然ながら不可能である」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”When only a minority consisting of capitalists can enjoy the good life, while the majority of workers must endure hardship, they will naturally not be able to live together in peace and harmony.”

日本語訳

「資本家という少数者だけが豊かな生活を享受し、大多数の労働者が苦しみに耐えているような状況では、両者が平和と調和のうちに共存することは当然ながら不可能である」

解説

この言葉は、社会的不平等がもたらす分断と対立の不可避性を訴えるものである。孫文は、産業資本主義の進展に伴って生まれた資本と労働の格差拡大を深刻に捉えていた。彼は、経済の繁栄が一部の階層に集中し、大多数の労働者が貧困に苦しむ社会においては、安定も秩序も持続し得ないと考えていた。

この認識は、孫文の「民生主義」に根ざしており、単なる福祉政策ではなく、経済構造そのものの改革を目指す思想である。彼は、労働者にも生活の安定と希望が与えられなければ、いずれは不満が爆発し、革命や暴動に繋がることを予見していた。したがって、平和と調和の実現には、経済的公正と所得分配の是正が不可欠であるという立場をとっていた。

現代でも、富の集中と格差拡大が社会の分断やポピュリズムの台頭を招いている例は枚挙にいとまがない。孫文のこの言葉は、社会的安定の基礎は経済的平等にあるという事実を端的に示し、国家政策におけるバランスの重要性を教えている。

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