「二千年前に我々は帝国主義と軍国主義を捨て、それ以来ずっと平和を愛する民であり続けてきた」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”Two thousand years ago, we abandoned imperialism and militarism. We have been peace-lovers ever since.”
日本語訳
「二千年前に我々は帝国主義と軍国主義を捨て、それ以来ずっと平和を愛する民であり続けてきた」
解説
この言葉は、中国が長い歴史の中で平和を重んじる国家であったという自己認識を表している。孫文は、過去の中華文明が武力による拡張ではなく、道徳と文化による統治と影響を重視してきたと捉え、それを西洋列強の軍事的帝国主義と対比して称揚している。ここでの「二千年前」とは、儒教や法家思想が整えられた前漢から後漢にかけての時代を念頭に置いた言説と解釈できる。
このような主張には、当時の中国が欧米列強から「未開」「専制」と見なされていたことに対する文明的自己肯定の側面がある。孫文は、西洋に対抗しうる価値観として、中国古来の平和志向と道徳政治を掲げたのである。これは、中国の再建と国際社会における新たな位置づけを模索する中で、文化的正統性を確保する意図もあった。
現代においても、国家の外交政策や国際関係において「平和国家」としての立場を主張する際、歴史的伝統を根拠とする語りはしばしば用いられる。孫文のこの言葉は、過去における理念的な選択を未来の国家像へとつなげようとするナラティブの一例であり、国際政治における「道義的優位性」を構築する試みとして注目される。
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