「民衆の福祉を推進しようと望む者は、民衆と連帯して前進し、彼らに最も適した道を選ばねばならない。我々の歴史は西洋諸国の歴史とは異なるゆえに、両者が進むべき歩みもまた異ならなければならない」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”Those who wish to promote the welfare of the people should advance in solidarity with them and select the path most suitable for them. Since the history of our people is different from that of the people of the West, the steps that the two peoples choose to take in order to advance must also be different.”

日本語訳

「民衆の福祉を推進しようと望む者は、民衆と連帯して前進し、彼らに最も適した道を選ばねばならない。我々の歴史は西洋諸国の歴史とは異なるゆえに、両者が進むべき歩みもまた異ならなければならない」

解説

この言葉は、民衆と共に進む政治の在り方と、文化・歴史に応じた独自の発展の道を歩むべきだという考えを示している。孫文は、西洋の制度や思想を無条件に模倣するのではなく、中国の歴史的・社会的背景に根ざした改革が必要であると強調していた。そのためには、為政者が上から押しつけるのではなく、民衆とともに進む姿勢が不可欠である。

この発言の根底には、近代中国が直面していた「西洋化か、伝統維持か」というジレンマがある。孫文は、形式的に西洋の制度を導入するのではなく、中国独自の事情に適合した漸進的改革を模索していた。特に農村社会が基盤であった中国において、民衆の生活実態を無視した制度輸入は機能しないと見抜いていた。

現代においても、開発援助や民主制度の普及における文化的適応の重要性は広く認識されている。たとえば、アジアやアフリカの一部では、西洋式選挙制度よりも伝統的合議制の方が実情に合致する場合もある。孫文のこの言葉は、普遍的価値の追求と固有の文脈の尊重を両立させようとする姿勢を象徴している。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「孫文」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る