「中国の労働者と外国の労働者の違いは、後者が自国の資本家からしか搾取されていないのに対し、前者は他国の資本家からも搾取されているという点にある」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”The difference between the Chinese workers and foreign workers lies in the fact that the latter are oppressed only by their own capitalists and not by those of other countries.”
日本語訳
「中国の労働者と外国の労働者の違いは、後者が自国の資本家からしか搾取されていないのに対し、前者は他国の資本家からも搾取されているという点にある」
解説
この言葉は、中国の労働者が直面していた多重の搾取構造を鋭く指摘している。孫文は、国内の封建的体制や資本家による搾取だけでなく、外国勢力による経済的干渉と収奪が中国の民衆に二重の負担を強いていることに強い危機感を抱いていた。これにより、中国の労働者は、西洋諸国の労働者と比較してもさらに過酷な状況に置かれていたとする。
この発言の背景には、列強による不平等条約や租界制度、外資系企業の進出といった半植民地的構造がある。これらは中国国内の資源・労働・市場を外国資本が支配し、利益を持ち去る仕組みを形成していた。孫文はこの構造を打破し、中国人自身による国家と経済の再建を目指す「民族独立」と「民生主義」の両面から改革を提唱した。
現代でも、多国籍企業による低賃金労働や経済的従属の問題は、発展途上国において根強く存在する。孫文のこの言葉は、真の労働解放には国内外の搾取構造を見極め、包括的な解決を目指さなければならないという重要な視点を与えてくれる。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「孫文」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い