「我々の若者たちは常に西洋の教えるあらゆることを学ぼうとしているが、西洋で最も新しいものは、中国には何千年も前から存在していた」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”Our youths are constantly trying to learn everything the West has to teach, but what is newest in the West has existed in China for thousands of years.”

日本語訳

「我々の若者たちは常に西洋の教えるあらゆることを学ぼうとしているが、西洋で最も新しいものは、中国には何千年も前から存在していた」

解説

この言葉は、中国の伝統思想や文化に対する誇りと再評価の必要性を強調したものである。孫文は、西洋の科学や政治制度を取り入れることの重要性を認めながらも、中国の古代思想にすでに同様の理念が存在していたと考えていた。たとえば、仁・義・礼・智といった儒教の価値観は、個人の尊厳や社会的調和を重視する点で、西洋近代の人権思想や民主主義と共鳴する部分がある。

この発言には、盲目的な西洋崇拝への批判も込められている。表面的な模倣ではなく、自国の文化遺産を深く理解し、それをもとに現代の制度や価値を再構築すべきだというメッセージである。西洋の「最新」は、実は東洋の「古典」にすでに内包されていた可能性があるという認識は、文化的自信を促すものである。

今日のグローバル化の時代においても、自国文化の深層を再発見し、それを土台として国際的対話に臨む姿勢は重要である。日本や韓国、インドなどがそれぞれの伝統思想を現代教育や政策に応用している例は、この孫文の思想を体現している。革新とは必ずしも新しさの模倣ではなく、古きものの再発見であるという逆説的真理が、この言葉には込められている。

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