「私の国際開発計画においては、この産業発展によって得られる利益は、まずそれに投資された外国資本の元利を返済することに、次に労働者に高賃金を支払うことに、そして最後に生産機械の改善または拡張に充てるべきであると提案する」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”In my International Development Scheme, I propose that the profits of this industrial development should go first to pay the interest and principal of foreign capital invested in it; second to give high wages to labor; and third to improve or extend the machinery of production.”

日本語訳

「私の国際開発計画においては、この産業発展によって得られる利益は、まずそれに投資された外国資本の元利を返済することに、次に労働者に高賃金を支払うことに、そして最後に生産機械の改善または拡張に充てるべきであると提案する」

解説

この言葉は、国際投資と産業開発における利益配分の優先順位について述べたものである。孫文は国家再建に際し、外国資本の導入を積極的に構想していたが、それを単なる搾取とせず、投資者・労働者・国家のいずれもが利益を得る構造を目指していた。

第一に、外国資本の返済を最優先とする点は、国際信用を確保するためである。信用を築くことで継続的な投資を呼び込むことができ、中国の近代化を加速させる狙いがあった。第二に、労働者への高賃金支給は、国民の生活水準向上と社会安定のためであり、民生主義の理念にも沿う。第三に生産設備の改善は、経済の持続的発展を意識したものである。

この構想は、開発途上国における持続可能な開発と公正な配分という現代的課題にも通じる。例えばアフリカ諸国での資源開発においても、単なる外国依存ではなく、投資・雇用・設備拡充のバランスを図ることが国の成長と安定の鍵となる。孫文のこの発言は、その先見性と現実的バランス感覚を示している。

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