「私は痛感している。ヨーロッパ諸国の富と強さは、彼らが軍艦や強力な大砲、堅固な要塞や精鋭な兵士を有しているからだけでなく、国民がその才能を十分に発揮し、土地が有効に活用され、天然資源が最大限に開発され、物資が自由に流通しているからでもある」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”I am keenly aware that the wealth and power of the European nations are the result not only of their having ships and powerful guns, strong fortresses and formidable troops but also because their people can fully employ their talents, their land can be fully utilized, their natural resources can be fully tapped, and their goods can freely flow.”
日本語訳
「私は痛感している。ヨーロッパ諸国の富と強さは、彼らが軍艦や強力な大砲、堅固な要塞や精鋭な兵士を有しているからだけでなく、国民がその才能を十分に発揮し、土地が有効に活用され、天然資源が最大限に開発され、物資が自由に流通しているからでもある」
解説
この言葉は、欧州列強の国力の本質が単なる軍事力ではなく、社会の総合的な活性化にあるという、孫文の深い洞察を示している。彼は、列強の支配を受ける中国の現状を変えるためには、単に武装するだけでは不十分であり、人材・土地・資源・流通という経済と社会の根本的な仕組みを整えることが不可欠だと認識していた。
ここで示されているのは、「民生主義」的視点に基づく国力の構造的分析である。孫文は、民衆の教育と才能の発揮、未開発地の有効利用、埋もれた資源の発掘、そして経済の自由な流れが国家の繁栄を支えていることに注目した。これらの要素が整備されてこそ、真に独立し強い国家が成り立つという信念がここに表れている。
現代においても、持続可能な国家発展の基盤は、人材育成・資源管理・自由な経済循環にあるという考えは変わらない。孫文のこの言葉は、経済的・社会的基盤の整備なくしては、真の国家独立も平和も実現しないという、総合的国家戦略の重要性を説いたものである。
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