「中国人民の大多数に人権を発展させるにはどうすればよいのか。その唯一の方法は組織化である。労働者、農民、商人、実業家、学生を草の根のレベルで組織することである」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”How can human rights be ever developed for the majority of Chinese people? The only way is to organize. To organize workers, peasants, merchants, industrialists, and students at the grassroots level.”
日本語訳
「中国人民の大多数に人権を発展させるにはどうすればよいのか。その唯一の方法は組織化である。労働者、農民、商人、実業家、学生を草の根のレベルで組織することである」
解説
この発言は、人権の確立には民衆の主体的な組織化が不可欠であるという孫文の社会運動論を示している。彼は、単なる制度の導入ではなく、市民一人ひとりが組織され、連帯し、社会に参加することが人権実現の基盤であると考えていた。この「草の根の組織化」という発想は、近代中国における政治参加の普遍化を目指す構想に直結している。
注目すべきは、組織化の対象が労働者や農民にとどまらず、商人・実業家・学生にも及んでいる点である。これは単に階級闘争的な動員ではなく、社会の多様な層を包摂した国民全体の覚醒と連携を志向していたことを意味する。孫文の「三民主義」中の「民権主義」は、まさにこのような市民的自覚と行動を重視するものである。
現代でも、人権の制度的保障だけでは不十分であり、草の根の市民運動や団体の形成がその実質的基盤となることは広く認識されている。民主化運動、労働組合、学生運動、地域コミュニティなどが果たす役割は、今日の社会においても決定的である。孫文のこの言葉は、制度改革と民衆の組織化が両輪であるという原則を明確に示している。
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