「中国の共和政治は、ちょうど学校に通い始めたばかりの子どものようなものである。その子には良き教師と良き友人が必要だ。同様に、共和政治に不慣れな中国人民も、正しく教育されねばならない。革命政府は、人民に高度な意識と経験を授ける教師であるべきなのだ」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”China’s republican politics is like a child who just started schooling. He must have a good teacher and be surrounded by good friends. By the same token, the Chinese people, new to the republican politics, must be educated properly. The revolutionary government should be the people’s tutor to impart advanced awareness and experience.”

日本語訳

「中国の共和政治は、ちょうど学校に通い始めたばかりの子どものようなものである。その子には良き教師と良き友人が必要だ。同様に、共和政治に不慣れな中国人民も、正しく教育されねばならない。革命政府は、人民に高度な意識と経験を授ける教師であるべきなのだ」

解説

この言葉は、新たに誕生した中華民国とその国民に必要な政治的教育の重要性を説いたものである。孫文は、中国が長く専制君主制のもとにあったため、国民が民主政治に必要な知識や経験を持っていないことを現実的に捉えていた。そのため、共和国の理想を実現するには、まず国民を教育し、意識を高める「訓政(トレーニング・ガバメント)」の段階が不可欠であると考えた。

この比喩において、人民は「生徒」、政府は「教師」とされる。これは上からの押しつけではなく、共に成長するための指導と支援の構図であり、民権主義と民生主義の橋渡しとして位置づけられている。教育によって国民が政治的判断力を持つようになれば、やがて真の民主政治が可能になるという段階的発展のビジョンがここには示されている。

現代の新興民主国家においても、制度導入だけでは不十分であり、市民教育や政治的リテラシーの向上が不可欠であることは広く認識されている。孫文のこの言葉は、政治参加を可能にする知的・倫理的基盤を整えることの重要性を訴えたものであり、教育と政治の密接な連関を再認識させる。

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