「中国は二千年以上も前にすでに民主主義の概念を考慮していたが、当時はそれを実行に移すことができなかった」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”China more than two milleniums ago had already considered the idea of democracy, but at that time she could not put it into operation.”

日本語訳

「中国は二千年以上も前にすでに民主主義の概念を考慮していたが、当時はそれを実行に移すことができなかった」

解説

この発言は、中国の歴史の中に民主主義的思想の萌芽があったことを主張し、近代的民主制度が西洋由来であるという通念に異議を唱えている。孫文は、中国固有の思想体系、特に儒教や古代の「禹・舜・禅譲」の制度などに、民主的要素が含まれていたと見ていた。すなわち、人民の意志を重視する統治観は古来から存在したというのである。

ただし、当時の中国では制度的・社会的な制約のために、それを実際の政治制度として具現化することは困難であった。中央集権的な封建体制や身分制度が、民主的運営を阻んでいた。孫文はそうした背景を踏まえつつ、中国の伝統に根ざした民主主義を打ち立てることを、自らの政治的使命と考えていた。

この視点は、現代でも重要である。民主主義は普遍的価値であると同時に、文化的適応が必要な制度でもある。中東、アジア、アフリカ各国がそれぞれの伝統と融合させつつ民主制度を模索している現状は、孫文の認識と重なる。彼の発言は、自国の歴史的アイデンティティと普遍的理念との融合を図る知的態度を示している。

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