「十三歳のとき、私は母に付き添ってハワイ諸島へ渡った。そこで初めて蒸気船の驚異と広大な海を目の当たりにした。それ以来、私は西洋の知識を得たいと切望し、自然の神秘を解明したいと願うようになった」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”At thirteen, I accompanied my mother to the Hawaiian Islands. There, for the first time, I saw the wonder of a steamship and the vastness of the ocean. From that time on, I was eager to acquire the knowledge of the West and to fathom the mysteries of nature.”
日本語訳
「十三歳のとき、私は母に付き添ってハワイ諸島へ渡った。そこで初めて蒸気船の驚異と広大な海を目の当たりにした。それ以来、私は西洋の知識を得たいと切望し、自然の神秘を解明したいと願うようになった」
解説
この言葉は、孫文が西洋文明と自然科学への関心を抱くきっかけとなった原体験を回想するものである。幼い頃にハワイを訪れた彼は、当時の中国ではまだ目にすることのなかった蒸気船や広大な海洋空間に強い衝撃を受け、未知の世界への探究心と学習意欲を燃やすようになった。この体験は、彼が後に西洋の思想・技術・制度を積極的に学び、革命思想を形成する上での原点ともいえる。
この言葉に表れているのは、驚きから始まる知的覚醒の過程であり、ひとつの感動的な出会いが人間の志を決定づけるという普遍的真理である。孫文にとって、ハワイは単なる地理的移動先ではなく、文明の衝撃と啓蒙の場であり、そこから彼の改革者としての歩みが始まった。
現代においても、異文化との出会いや技術との邂逅が、若者の将来や世界観を形作る重要な契機となることは変わらない。孫文のこの言葉は、新しい世界に触れたときの純粋な驚きと、それを学びに転化する意志の重要性を教えてくれるものであり、あらゆる時代の教育や啓蒙にとって示唆に富む証言である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?