「現在、イギリス、アメリカ、フランス、イタリア、日本がいわゆる『五大国』を構成している。ドイツとソビエト・ロシアの台頭を加えても、世界には七大国しか存在しない。中国が強大になれば、国際連盟において容易に第一位の地位を獲得できるであろう。」

- 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
- 中国(清国)出身
- 革命家、政治家、中華民国臨時大総統
英文
”At present, England, America, France, Italy, and Japan constitute the so-called ‘Big Five.’ Even with the rise of Germany and Soviet Russia, the world has only seven Powers. When China becomes strong, she can easily win first place in the Council of Nations.”
日本語訳
「現在、イギリス、アメリカ、フランス、イタリア、日本がいわゆる『五大国』を構成している。ドイツとソビエト・ロシアの台頭を加えても、世界には七大国しか存在しない。中国が強大になれば、国際連盟において容易に第一位の地位を獲得できるであろう。」
解説
この言葉は、孫文が中国の潜在的国力と国際的地位の回復を強く意識していたことを示している。第一次世界大戦後、国際秩序は列強によって支配され、中国は弱小国として不平等条約に縛られていた。しかし孫文は、中国が近代化を進め、国力を高めれば、人口・資源・地理的規模において他国を凌駕し、やがて国際政治の中心に立てると信じていた。
この発言の背景には、中国の民族的劣等感を払拭し、国民に自信と団結心を与える意図がある。当時の中国は「半植民地国家」として列強に従属していたが、孫文は将来の展望を示すことで、国民に奮起を促した。これは彼の「民族主義」の一部であり、中国が独立と強大化を果たすことを国際秩序再編の核心に据えたのである。
現代的に見ても、この言葉は国際社会における大国の台頭を予見するものとして興味深い。孫文が描いたビジョンは完全には実現しなかったが、中国が21世紀において国際政治で重要な役割を担う現状を見ると、その言葉には一定の先見性があったといえる。
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