「我々の同胞は皆、モンゴルを失うことが我が国の滅亡を意味することを知っている。ロシアに屈して恥ずかしく滅ぶよりも、ロシアに抗して英雄的に死ぬことを我々は選ぶであろう。」

孫文(画像はイメージです)
孫文(画像はイメージです)
  • 1866年11月12日~1925年3月12日(58歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 革命家、政治家、中華民国臨時大総統

英文

”All our compatriots know that the loss of Mongolia would mean the demise of our country. We would rather resist Russia and die heroically than succumb to Russia and perish shamefully.”

日本語訳

「我々の同胞は皆、モンゴルを失うことが我が国の滅亡を意味することを知っている。ロシアに屈して恥ずかしく滅ぶよりも、ロシアに抗して英雄的に死ぬことを我々は選ぶであろう。」

解説

この言葉は、孫文が領土と国家存続を不可分と捉えていたことを端的に示している。モンゴルは清朝時代から中国の版図に含まれていたが、辛亥革命後はロシアの影響力が強まり独立の動きが活発化した。孫文にとってモンゴルの喪失は単なる領土問題ではなく、国家の統一と民族の存亡に直結する危機であった。

さらに、この言葉には対ロシア強硬姿勢が表れている。中国は近代以降、列強に圧迫され不平等条約を強いられてきたため、領土問題に対する国民感情は極めて敏感であった。孫文は「抵抗して壮烈に死ぬ」覚悟を示すことで、国民の士気を高め、民族の独立心と団結を訴えたのである。

現代から見れば、この言葉は当時の地政学的緊張を映すとともに、領土保全を国家の核心的利益とする姿勢がすでに形成されていたことを示す。モンゴルは最終的に独立国家となったが、孫文の発言は、国家のアイデンティティと領土の結びつきを強調する歴史的証言として意義を持つ。

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