「名声を求めることなく進み、恥を恐れることなく退き、ただ国家を守り主君に尽くすことだけを考える将軍こそが、国の宝である」
- 紀元前544年~紀元前496年
- 中国出身
- 軍事戦略家、軍師
- 『孫子兵法』を著し、戦略・戦術の古典を確立した
英文
“The general who advances without coveting fame and retreats without fearing disgrace, whose only thought is to protect his country and do good service for his sovereign, is the jewel of the kingdom.”
日本語訳
「名声を求めることなく進み、恥を恐れることなく退き、ただ国家を守り主君に尽くすことだけを考える将軍こそが、国の宝である」
解説
この名言は、真のリーダーシップに求められる自己犠牲と利他の精神を説いている。孫子は、将軍の役割を名誉や利益の追求ではなく、国家の安泰と主君への忠誠に置くべきであると考えていた。戦場では名声や恥辱への執着が、正しい判断を妨げることがあり、それが国家や組織全体にとって致命的な結果を招きかねない。このため、公の利益を最優先に考える将軍こそが「宝」とされるべき存在とされている。
この思想は、孫子の生きた戦国時代において極めて実用的な教訓であった。当時、戦争の結果は国家そのものの存亡を左右し、将軍の判断や行動は直接的にその結果に影響した。個人的な欲望や感情が戦略に影響を及ぼすことを防ぐため、将軍には冷静な判断力と無私の精神が求められた。この名言は、リーダーシップの理想像を描き、優れたリーダーが持つべき心構えを示している。
現代社会においても、この名言は重要な教訓を与えている。例えば、企業のリーダーや政治家が私利私欲を捨て、組織や国全体の利益を考えるとき、その影響力は最大化される。また、リーダーが責任を取る場面で適切に退く勇気や、自らが前に出る必要がある場面で進む決断力は、組織の信頼を高める。この名言は、現代のあらゆるリーダーにとって、自己を超えた視点と使命感の重要性を思い起こさせるものといえる。
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