「壊滅の危機に直面させれば、人は生き延びる。死地に追い込めば、人は生きるために戦う。人が危険に陥る時、初めて勝利を求めて奮起する」
- 紀元前544年~紀元前496年
- 中国出身
- 軍事戦略家、軍師
- 『孫子兵法』を著し、戦略・戦術の古典を確立した
英文
“Confront them with annihilation, and they will then survive; plunge them into a deadly situation, and they will then live. When people fall into danger, they are then able to strive for victory.”
日本語訳
「壊滅の危機に直面させれば、人は生き延びる。死地に追い込めば、人は生きるために戦う。人が危険に陥る時、初めて勝利を求めて奮起する」
解説
この名言は、人間の持つ危機的状況における潜在的な力を引き出す方法を示している。孫子は、兵士が追い詰められた極限の状況では、生き残るために本能的な力を発揮し、普段の力以上の働きをすることを見越している。この考えは、戦術的な観点から見ると、追い詰められた状況がかえって士気を高め、逆境を突破する原動力となることを意味している。
孫子の時代、中国の戦国時代においては、地形や状況を利用して兵士たちを退路のない「死地」に追い込むことで、彼らの士気や結束を高め、最後の力を発揮させる戦略が取られた。こうした状況では、兵士たちは恐怖を超え、生き残るために一丸となる。孫子は、これを計画的に利用することで、危機を逆転の機会に変える術を説いている。
現代では、この名言は危機管理やリーダーシップにおける重要な教訓となる。例えば、ビジネスやプロジェクトの失敗が迫った際、限られた資源や時間で創造的な解決策を見出すために、追い詰められることでかえって全力を尽くすことがある。また、個人の成長においても、危機的な状況が挑戦への意欲を引き出し、新たな能力を開花させるきっかけとなる。極限状態が人間の潜在能力を解放するというこの名言は、逆境の中で力を発揮する方法を教えてくれる普遍的な真理である。
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