「こうして彼らが身を引くと、莫大な富を得たとしても、人生の中で最も価値のある経験の一つを自ら手放していることになる。その経験がなければ、自分の価値観を知ることも、新たに得た富をどう捉えるべきかも分からないかもしれない」
- 1955年2月24日～2011年10月5日
- アメリカ出身
- 起業家、実業家、工業デザイナー
- 個人用コンピュータであるMacintosh、iPhone、iPadなどの技術とデザインを高次元に融合させた革新的な製品を世に送り出し、またiPodとiTunes、iTunes Storeによって音楽業界に革命を起こした
英文
”So when these people sell out, even though they get fabulously rich, they’re gypping themselves out of one of the potentially most rewarding experiences of their unfolding lives. Without it, they may never know their values or how to keep their newfound wealth in perspective.”
日本語訳
「こうして彼らが身を引くと、莫大な富を得たとしても、人生の中で最も価値のある経験の一つを自ら手放していることになる。その経験がなければ、自分の価値観を知ることも、新たに得た富をどう捉えるべきかも分からないかもしれない」
解説
ジョブズはこの言葉で、金銭的な成功だけが人生のすべてではないと強調している。富を得て企業を売却し、一見成功したように見えても、その過程で得られる貴重な経験や、自分自身の価値観を深く理解する機会を失う可能性があると述べている。彼にとって、成功とは単なる財産の蓄積ではなく、人生を通じて得られる内面的な成長や価値観の形成であり、それが人生の充実や真の意味をもたらすものだと考えていた。
また、ジョブズは富を得ること自体を否定しているわけではなく、それをどう捉えるかが重要だと指摘している。金銭的な成功に目を奪われると、本来の価値観や人生の目的を見失いがちであるが、内面的な成長と自己理解が伴えば、富を持つことに対してより健全な視点を持てるようになる。このように、自己の価値観を知り、それに基づいて富を扱うことが、真の満足と豊かさにつながるとするジョブズの信念が感じられる。
この言葉は、現代の成功や豊かさを追求する中で、本当の意味での充実と幸福を見つめ直すことの大切さを教えてくれる。ジョブズの考えは、経済的な豊かさだけでなく、自己の成長や価値観を育む経験こそが、人生を豊かにする要素であることを強調している。
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