「歴史を通じて、人々は商業的利益のためではなく、宇宙を理解したいという純粋な欲求から基礎科学を研究してきた。しかし、それらの発見は後に大きな実用的利益をもたらすことが判明した」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“Throughout history, people have studied pure science from a desire to understand the universe rather than practical applications for commercial gain. But their discoveries later turned out to have great practical benefits.”
日本語訳
「歴史を通じて、人々は商業的利益のためではなく、宇宙を理解したいという純粋な欲求から基礎科学を研究してきた。しかし、それらの発見は後に大きな実用的利益をもたらすことが判明した」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが基礎科学の価値とその長期的な影響を強調したものである。彼は、純粋な知的好奇心に基づく科学研究が、直接的な実用性を意図しなくても、後に社会や産業に計り知れない恩恵をもたらすことを指摘している。
「宇宙を理解したいという純粋な欲求から基礎科学を研究してきた」という部分は、科学の根本的な動機である知的探究心を称賛している。例えば、ガリレオの天文学的観測やニュートンの運動の法則、アインシュタインの相対性理論などは、当初は宇宙や自然界の仕組みを理解することを目的としていた。しかし、これらの研究は後に技術革新や新しい産業を生む基盤となった。
「それらの発見は後に大きな実用的利益をもたらす」という主張は、基礎研究が長期的な視点で見たときに社会に重要な価値を提供することを示している。例えば、量子力学の研究はコンピュータ、通信技術、医療機器の発展を支えている。また、天文学の研究から派生した技術が衛星通信やGPSなどの日常生活に不可欠な技術として広がった。
ホーキングのこの発言は、科学の本質的な意義とその応用可能性を結びつけている。基礎科学に投資することは、短期的な利益を追求するだけでなく、未来の技術革新や社会の発展に向けた基盤を築くことに繋がるという重要な視点を提示している。
この言葉は、科学研究の普遍的な価値とその予測不可能な可能性を称賛している。ホーキングの視点は、科学が単なる現実の問題解決の手段にとどまらず、人類の知識の拡大と未来の可能性を切り開く重要な役割を果たしていることを教えてくれる。
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