「観測によれば、宇宙は加速度的に膨張している。宇宙は永遠に膨張し続け、ますます空虚で暗いものとなるだろう」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“Observations indicate that the universe is expanding at an ever increasing rate. It will expand forever, getting emptier and darker.”
日本語訳
「観測によれば、宇宙は加速度的に膨張している。宇宙は永遠に膨張し続け、ますます空虚で暗いものとなるだろう」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが宇宙の運命と加速膨張についての科学的見解を述べたものである。彼は、観測データに基づいて、宇宙が今後どのように進化するのかを予測し、その未来像を示している。この考えは、現代宇宙論における「暗黒エネルギー」と呼ばれる謎の要素に大きく関係している。
「宇宙は加速度的に膨張している」という部分は、1990年代後半に行われた超新星の観測から導き出された発見を反映している。これらの研究では、宇宙の膨張が減速するのではなく、むしろ加速していることが示され、この現象を引き起こしている原因として「暗黒エネルギー」が提唱された。暗黒エネルギーは、宇宙の約70%を占める未知のエネルギーであり、反重力的な効果を持つとされている。
「宇宙は永遠に膨張し続ける」という予測は、「ビッグクランチ」のような収縮型の終焉とは異なる未来像を描いている。このシナリオでは、宇宙は膨張を続け、銀河や恒星の間の距離が広がり、物質の密度が低下することで、宇宙は次第に冷たく、暗く、孤独な状態へと向かう。これを「ビッグフリーズ」や「熱的死」と呼ぶ。
この発言は、宇宙の始まりと終わりを探る人間の探究心を象徴している。ホーキングの考えは、科学的観測と理論がどのようにして宇宙の未来像を描くのかを示す一例である。同時に、これらの予測は、宇宙がいかに広大で神秘的な存在であるかを再認識させ、人類が自らの存在とその限界をどのように捉えるべきかについて深い洞察を提供している。
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