「私の父は熱帯医学の研究者だったので、私も科学者になるものだと思っていた。医学は曖昧で不正確だと感じたため、物理学を選んだ」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“My father was a research scientist in tropical medicine, so I always assumed I would be a scientist, too. I felt that medicine was too vague and inexact, so I chose physics.”
日本語訳
「私の父は熱帯医学の研究者だったので、私も科学者になるものだと思っていた。医学は曖昧で不正確だと感じたため、物理学を選んだ」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが自身のキャリア選択の背景について語ったものである。ホーキングは、科学者である父親の影響を受けて育ち、自然と科学の道に進むことを考えていた。しかし、医学のように人間の体や病気に関する複雑さと曖昧さよりも、自然界の普遍的な法則を解き明かす物理学の明確さに惹かれたと述べている。
ホーキングが選んだ物理学は、観測や実験に基づく厳密な理論の構築を目指す学問であり、彼の探求心に合致していた。また、物理学の中でも宇宙論という分野は、全宇宙の成り立ちや仕組みを探るスケールの大きなテーマを扱うため、ホーキングの知的好奇心を大いに刺激したと考えられる。
この言葉は、科学者としての個人の選択が、その人の興味や価値観に深く根ざしていることを示している。また、ホーキングの決断は、科学の異なる分野がそれぞれ異なる視点と方法論を提供していることを浮き彫りにしている。彼の言葉を通じて、科学には明確な答えを求める人に向いた分野もあれば、複雑な現象を理解するための柔軟なアプローチを必要とする分野もあることが分かる。
ホーキングのキャリア選択は、科学の魅力を示すだけでなく、自分に最も合った分野を見つけることの重要性を教えてくれる。この発言は、若い科学者や学生にとって、自分自身の興味と価値観に従って進む道を選ぶヒントとなるものである。
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