「コンピュータウイルスは生命として数えられるべきだと思います。これまで人間が作り出した唯一の生命の形態が、純粋に破壊的であるという事実は、人間の本質を物語っていると思います。我々は、自分たちの姿に似た生命を創造したのです」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“I think computer viruses should count as life. I think it says something about human nature that the only form of life we have created so far is purely destructive. We’ve created life in our own image.”
日本語訳
「コンピュータウイルスは生命として数えられるべきだと思います。これまで人間が作り出した唯一の生命の形態が、純粋に破壊的であるという事実は、人間の本質を物語っていると思います。我々は、自分たちの姿に似た生命を創造したのです」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが人間の創造性とその倫理的側面について哲学的に考察したものである。彼は、コンピュータウイルスという人間が作り出した人工的な存在に着目し、それを「生命」として捉える視点を示している。この言葉には、科学技術の発展が必ずしも建設的ではない形で現れることへの警告が込められている。
ホーキングは、生命の定義を拡張し、コンピュータウイルスのようなプログラムも「進化し、自己複製する能力を持つもの」として生命と見なせる可能性を示唆している。しかし、これまで人類が創造したものが「純粋に破壊的」であることに注目し、それが人間の本質的な側面を反映していると指摘している。つまり、創造的な力を持ちながらも、その力が破壊的に使われる傾向があるという人間の性質である。
この発言はまた、倫理的責任の重要性を示唆している。人間は、自分たちが作り出すものに対する責任を負うべきであり、その創造物がどのような影響を及ぼすかを深く考える必要がある。特に、人工知能やバイオテクノロジーのような分野では、創造物がどのように利用され、どのような結果をもたらすかについて慎重に考えることが求められる。
ホーキングのこの言葉は、人間の創造力がもたらす可能性と、それに伴う責任についての重要な問いかけである。私たちは何を作り出すべきか、そしてその創造物が私たちの倫理や価値観をどのように反映しているのかを問い直す必要がある。この発言は、科学技術が人類に与える影響を深く考えるきっかけとなるものである。
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