「私は脳を、部品が壊れたときに動かなくなるコンピュータのようなものだと考えている。壊れたコンピュータに天国や来世は存在しない。それは暗闇を恐れる人々のための作り話である」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“I regard the brain as a computer which will stop working when its components fail. There is no heaven or afterlife for broken down computers; that is a fairy story for people afraid of the dark.”
日本語訳
「私は脳を、部品が壊れたときに動かなくなるコンピュータのようなものだと考えている。壊れたコンピュータに天国や来世は存在しない。それは暗闇を恐れる人々のための作り話である」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが死後の世界に対する自身の無神論的な見解を述べたものである。彼は脳を機械的なシステムとして捉え、人間の意識や存在を物理的プロセスに還元して考えている。この視点は、物理学者としての彼の科学的アプローチに基づいている。
「脳をコンピュータのようなものと考える」という部分は、脳が物理的構造と電気信号のやり取りによって機能するシステムであるという科学的見解を反映している。この考え方では、脳の活動が停止すれば、意識も消滅するとされ、超自然的な要素や死後の生を想定する必要はないとする。
「暗闇を恐れる人々のための作り話」という表現は、死後の世界の概念が人間の恐怖心や安心を求める心理から生まれたものであるというホーキングの批判的な立場を示している。彼は、人間の存在や死に関する疑問に対し、科学的な理解に基づいた説明を求めるべきだと考えていた。
この発言は、生命や死、意識の本質に関する物理学的視点を象徴している。ホーキングは、死後の世界の概念を否定することで、科学が提供する現実的な説明を受け入れる重要性を強調している。しかし、この見解は多くの人々にとって挑発的であり、宗教や哲学と科学の関係について深い議論を引き起こすものでもある。
ホーキングのこの言葉は、死後の世界の存在を問う普遍的な人間の問いに対する一つの科学的な答えであり、彼の無神論的な立場を明確に示しているとともに、科学が人間の存在意義にどのように答えるかを考えるきっかけを提供している。
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