「真実の愛は、死のことを頻繁に、容易に、そして恐れなく考えさせる。それは単に、多くのものと引き換えに払う代価であり、比較の基準となるだけになる」

スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
  • フランス出身
  • 小説家、評論家

英文

”True love makes the thought of death frequent, easy, without terrors; it merely becomes the standard of comparison, the price one would pay for many things”

日本語訳

「真実の愛は、死のことを頻繁に、容易に、そして恐れなく考えさせる。それは単に、多くのものと引き換えに払う代価であり、比較の基準となるだけになる」

解説

この言葉は、真実の愛が死の恐怖を和らげ、その概念を日常的な感情の尺度に変えるという深い心理を描いている。強い愛情の中では、死は忌避すべき恐怖ではなく、愛を守るために支払ってもよい最高の代価として受け入れられるようになる。ここでの「standard of comparison(比較の基準)」は、愛の価値を測る指標として死が用いられることを意味する。

この発想の背景には、19世紀ロマン主義の恋愛観と死生観がある。当時の文学では、愛と死はしばしば結びつけられ、愛の純粋性や情熱の深さは、死をも恐れない覚悟として表現された。スタンダールは、この感覚を理想化ではなく心理的な事実として捉え、深い愛がもたらす死への感情の変容を描いている。

現代においても、この感覚は共感を呼ぶ。例えば、愛する人を守るためなら命を賭けてもよいと感じる瞬間は、親子関係や恋愛関係などで今も存在する。また、深い愛情は死の恐怖を和らげ、生き方や価値観そのものを変える力を持つ。この言葉は、真実の愛が死をも基準としてしまうほどの精神的変化を生むという普遍的な真理を示している。

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