「一目で愛されるためには、男の顔には同時に尊敬すべき何かと、哀れむべき何かが備わっていなければならない」

スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
  • フランス出身
  • 小説家、評論家

英文

”To be loved at first sight, a man should have at the same time something to respect and something to pity in his face”

日本語訳

「一目で愛されるためには、男の顔には同時に尊敬すべき何かと、哀れむべき何かが備わっていなければならない」

解説

この言葉は、第一印象における複雑な魅力の条件を描いている。「something to respect(尊敬すべき何か)」は、力強さ・誠実さ・品格など相手に信頼や敬意を抱かせる要素を指す。一方、「something to pity(哀れむべき何か)」は、弱さ・傷つきやすさ・孤独感といった、相手の保護欲や共感を呼び起こす要素である。スタンダールは、この二つが同時に備わると、人は相手に強く惹かれ、一目惚れの感情が生まれやすいと述べている。

この発想の背景には、19世紀ロマン主義の恋愛心理観がある。当時の文学では、人物の魅力は単一の特質ではなく、相反する性質の共存によって深まると考えられていた。尊敬だけでは近寄りがたく、哀れみだけでは弱々しく映るが、その両方があることで人間的な奥行きと感情的引力が生まれると理解されていた。

現代においても、この考えは恋愛心理に当てはまる。例えば、社会的に成功し自信に満ちた人物が、同時に不安や失敗の影を見せることで、より人間味と親しみを感じさせる。これは著名人やフィクションの登場人物の魅力作りにも応用されており、強さと弱さの同居が人の心を動かす鍵であるという普遍的な真理を示している。

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