「これこそ我々の時代の災いである。どれほど奇妙な逸脱でさえ、退屈を癒すことはできない」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”This is the curse of our age, even the strangest aberrations are no cure for boredom”
日本語訳
「これこそ我々の時代の災いである。どれほど奇妙な逸脱でさえ、退屈を癒すことはできない」
解説
この言葉は、退屈という現代的病理が、極端で異常な行動や体験によっても解消されないという虚無感を表している。「strangest aberrations(最も奇妙な逸脱)」は、常軌を逸した行為や突飛な経験を指し、それが一時的な刺激をもたらしても、根本的な退屈感を払拭することはできないと述べている。スタンダールは、これは個人の性格ではなく「時代の災い」として捉えており、文化や社会構造に根差した問題であると見ている。
この発想の背景には、19世紀ヨーロッパにおける退屈(ennui)の自覚がある。産業革命や社会の急速な変化により、人々は物質的には豊かになったが、精神的充足感を失い、日常に空虚さを感じるようになった。特に上流階級では、娯楽や刺激を追い求めても満たされない「倦怠の文化」が広がっていた。
現代においても、この指摘は非常に当てはまる。インターネットや娯楽があふれる時代であっても、刺激はすぐに消費され、根本的な退屈感が残る。人は常に新しい体験や過激な選択を求めがちだが、それは一時的な解決でしかない。この言葉は、退屈を癒すのは外的刺激ではなく、内面的な充実や目的意識であるという普遍的な真理を含んでいる。
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