「羊飼いは常に、羊たちの利益と自分の利益が同じであると説得しようとする」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”The shepherd always tries to persuade the sheep that their interests and his own are the same”
日本語訳
「羊飼いは常に、羊たちの利益と自分の利益が同じであると説得しようとする」
解説
この言葉は、権力者と被支配者の関係を寓話的に描いた風刺である。ここでの「shepherd(羊飼い)」は支配者や指導者を、「sheep(羊)」は一般民衆を象徴している。スタンダールは、権力者が自らの利益を正当化するために、自分の行動や方針が民衆の利益と一致しているかのように装うことを指摘している。
この発想の背景には、19世紀ヨーロッパの政治的権力構造への批判がある。革命や王政復古を経験したフランス社会では、為政者が民衆に向けて「あなたたちのため」という名目で政策を進める一方、それが実際には自らの権力維持や利益確保のためであることが多かった。スタンダールは、この自己正当化のレトリックを冷ややかに見抜いている。
現代においても、この言葉は鋭い警告として通用する。政治家や企業経営者、組織のリーダーは、しばしば「これはみんなの利益のため」と強調するが、その背後には自己利益や権力維持の意図が隠れている場合がある。この言葉は、指導者の言葉と行動を鵜呑みにせず、その真意を見極める重要性を教えている。
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