「恋の喜びは、常に我々の抱く恐れの大きさに比例する」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”The pleasures of love are always in proportion to our fears”
日本語訳
「恋の喜びは、常に我々の抱く恐れの大きさに比例する」
解説
この言葉は、恋愛における喜びと恐れが表裏一体であるという鋭い心理観察を示している。ここでの「fears(恐れ)」は、失うことへの不安、拒絶される可能性、愛が終わる予感などを含む。愛が確実で安全だと感じられるとき、その喜びは安定していても強烈さは薄れる。一方、危うさや不安があるほど、愛の喜びは一層激しく感じられるという逆説が働く。
この発想の背景には、ロマン主義的な恋愛観と人間心理の快楽構造がある。19世紀ヨーロッパの文学では、恋愛はしばしば障害や危険を伴うものであり、その障害こそが感情を高める要素とされた。スタンダールは、愛の喜びが単なる幸福感ではなく、緊張と解放の感情の落差によって増幅されることを理解していた。
現代においても、この言葉は応用できる。例えば、遠距離恋愛や立場の異なる者同士の恋は、障害や不安が多い分、再会や成就の喜びが強く感じられる。また、スリルや不確実性を伴う経験が感情を高めるのは、恋愛以外の冒険や挑戦にも共通する。この言葉は、不安や恐れが必ずしも悪ではなく、感情を豊かにする要素にもなり得るという洞察を与えている。
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