「フランス人は最も機知に富み、最も魅力的であり、少なくともこれまでのところ、地上で最も音楽的でない民族である」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”The French are the wittiest, the most charming, and up to the present, at all events, the least musical race on Earth”
日本語訳
「フランス人は最も機知に富み、最も魅力的であり、少なくともこれまでのところ、地上で最も音楽的でない民族である」
解説
この言葉は、フランス人の長所と短所を同時に描いた文化的観察である。「wittiest(最も機知に富む)」は会話や表現の巧みさを、「most charming(最も魅力的)」は社交性や洗練された振る舞いを指す。一方で、「least musical(最も音楽的でない)」は、音楽に対する情熱や感受性が他国に比べて劣るという皮肉を含む評価である。スタンダールは、フランス文化の洗練さを認めつつも、その芸術的傾向に偏りがあると指摘している。
この発想の背景には、19世紀ヨーロッパにおける国民性論がある。当時、フランスは文学・哲学・会話術において突出した評価を受けていたが、音楽の分野ではドイツやイタリアに比べて国際的影響力が弱かった。スタンダールはこの事実を率直かつ皮肉を込めて表現している。
現代においても、この指摘は歴史的文脈として理解できる。今日のフランスは音楽分野でも一定の地位を確立しているが、19世紀当時のヨーロッパでは、交響曲やオペラの革新は主にドイツやイタリアが牽引していた。この言葉は、文化的長所と短所を冷静に見極める視点を持つことの重要性を示している。
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