「文学作品における政治とは、コンサートの最中に響く銃声のようなものである。下品ではあるが、それでも無視することは不可能である」

スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
  • フランス出身
  • 小説家、評論家

英文

”Politics in a literary work, is like a gun shot in the middle of a concert, something vulgar, and however, something which is impossible to ignore”

日本語訳

「文学作品における政治とは、コンサートの最中に響く銃声のようなものである。下品ではあるが、それでも無視することは不可能である」

解説

この言葉は、文学における政治的要素の二面性を鮮烈な比喩で示している。「gun shot in the middle of a concert(コンサートの最中の銃声)」は、芸術的流れを乱し、調和を壊す突然の衝撃を意味する。スタンダールは、政治を文学に持ち込むことは美的純粋性を損ない、時に品位を欠くとしながらも、その衝撃力と影響力は無視できないと認めている。

この発想の背景には、19世紀フランスの動乱と文学の社会的役割がある。当時の作家たちは、王政復古や革命、社会改革などの政治的問題に直面しており、純粋芸術を志向する一方で、現実の政治的議題から逃れられなかった。スタンダールは、美の追求と時代への関与の間で揺れる文学の宿命を、この比喩で的確に表現したのである。

現代においても、この指摘は有効である。小説、映画、演劇などで政治的テーマを扱うと、観客や読者の感情を大きく揺さぶるが、同時に「芸術性より主張が勝ってしまう」という批判も生まれる。それでも、社会の核心に触れる政治的要素は、一度差し込まれれば無視できない現実の重みを作品にもたらす。この言葉は、芸術と政治の間にある緊張関係を鋭く描き出している。

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