「彼はこれほどまでに、女性の恐るべき武器の至近距離に身を置いたことはなかった」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”Never had he found himself so close to those terrible weapons of feminine artillery”
日本語訳
「彼はこれほどまでに、女性の恐るべき武器の至近距離に身を置いたことはなかった」
解説
この言葉は、女性が持つ魅力や影響力を戦争の比喩で表現している。「feminine artillery(女性の大砲)」は、文字通りの武器ではなく、美貌・視線・笑顔・仕草・会話術など、男性の感情や理性を揺さぶる力を指す。スタンダールはこれを「terrible(恐るべき)」と形容し、その影響の強さと抗いがたさを強調している。
この発想の背景には、19世紀の恋愛観と軍事的比喩の好みがある。当時の文学では、恋愛を戦いに例えることが多く、男性は女性の魅力に「攻められる」存在として描かれることがあった。スタンダールは、女性の魅力を単なる外見的美しさではなく、心理的な攻撃力や戦略性を伴うものとして捉えている。
現代においても、この比喩は通用する。ファッション、表情、言葉の選び方などが、相手の注意や感情を意図的に引きつける手段となることは多い。広告や映画でも、こうした「魅力の武器」が観客を引き込むために利用される。この言葉は、恋愛における魅力の力が、時に理性を凌駕する強大な影響力を持つことを鋭く示している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「スタンダール」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い