「アメリカにはフランスよりも嫉妬がはるかに少なく、機知もまたはるかに少ない」

スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
スタンダールの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
  • フランス出身
  • 小説家、評論家

英文

”Far less envy in America than in France, and far less wit”

日本語訳

「アメリカにはフランスよりも嫉妬がはるかに少なく、機知もまたはるかに少ない」

解説

この言葉は、国民性の比較を通じて文化的特性を指摘している。ここでの「envy(嫉妬)」は、他者の成功や幸福に対する妬みを意味し、「wit(機知)」は知的な洒落や即興的な言葉の鋭さを指す。スタンダールは、アメリカ社会には嫉妬が少ないが、それと同時に、フランス的な洗練された機知にも乏しいと述べており、長所と短所を併せて指摘するバランスの取れた観察となっている。

この発想の背景には、19世紀初頭のアメリカとフランスの社会文化の違いがある。フランスでは社交界や文学サロンが発達し、会話の巧みさや機知が重要視される一方、社会的競争や階級意識が強く、嫉妬も生まれやすかった。対して、当時のアメリカは流動的な社会構造と実利主義が特徴で、人間関係における嫉妬は少ないが、会話文化の洗練度は低かったと考えられる。

現代においても、この比較は一部通用する。例えば、競争社会の中でも文化的土壌や価値観の違いによって、嫉妬や機知の表れ方は国ごとに異なる。SNS時代には嫉妬がグローバル化している一方、機知のあり方も国民性や教育によって変わる。この言葉は、社会の長所と短所は表裏一体であり、文化的特徴は何かを得る代わりに何かを失うことを示している。

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