「小説とは、大通りに沿って運ばれる一面の鏡である」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”A novel is a mirror carried along a main road”
日本語訳
「小説とは、大通りに沿って運ばれる一面の鏡である」
解説
この言葉は、小説の本質を現実の映し鏡として捉える比喩である。鏡は、道の両側にある美しい景色も醜い現実も、選別せずに映し出す。同様に、小説もまた、社会や人間の営みをありのままに反映するものであり、作者の使命は作為的に装飾することではなく、真実を映し取ることであると示している。
この発想の背景には、19世紀写実主義の文学観がある。スタンダールは、文学を単なる娯楽や道徳教育の手段とするのではなく、現実を忠実に描写する芸術として位置づけた。この比喩は、彼が現実の光と影の両方を描き出すことに価値を置いていたことを物語っている。
現代においても、この考え方は有効である。小説は社会の映し鏡として、時代の価値観、矛盾、変化を記録する役割を担う。例えば、都市生活を描いた現代小説は、そこに生きる人々の孤独や人間関係の変化を、無意識のうちに読者に伝える。この言葉は、文学の力は現実をそのまま映し出す誠実さにあるという普遍的な真理を端的に示している。
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