「知恵は驚きから始まる」

- 紀元前470年頃~紀元前399年
- 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
- 哲学者
英文
“Wisdom begins in wonder.”
日本語訳
「知恵は驚きから始まる」
解説
この名言は、哲学や知的探究の出発点は「驚き」や「不思議に思う心」であるという、ソクラテスの探究的精神を象徴している。彼は、日常にあるあたりまえのことに対しても問いを立て、「なぜそうなのか」「本当にそうなのか」を問う姿勢こそが知恵への第一歩であると考えた。この「驚き」は無知の認識に通じ、知ろうとする意志と謙虚さの源泉である。
この考え方は、弟子のプラトンによって『テアイテトス』などの対話篇に記録されており、ソクラテスは「驚きは哲学者の感情である」と述べている。つまり、真理に至ろうとする哲学的営みは、世界に対して「わかっていない」という感覚を持つことから始まるということである。既知の世界を当然視することをやめ、そこに「なぜ」を投げかけることで、思索と理解が深まっていく。
現代においてもこの名言は、学問や創造の分野において極めて重要である。科学の発見、芸術の創造、教育における学びの全ては、既成概念への驚きや疑問が起点となる。この言葉は、知恵を深めるには、まず世界を不思議に思う心を失ってはならないという、時代を超えて響く哲学的な教えである。
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