「詩人たちは神々の通訳にすぎない」

- 紀元前470年頃~紀元前399年
- 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
- 哲学者
英文
“The poets are only the interpreters of the gods.”
日本語訳
「詩人たちは神々の通訳にすぎない」
解説
この言葉は、詩や芸術における創造性が、個人の力によるものではなく、神的霊感によるものであるという古代ギリシアの思想を反映している。ソクラテスは、詩人たちがしばしば自分の書いた詩の意味すら理解していないことを指摘し、彼らの芸術的表現は、神からの啓示を無意識のうちに伝えているに過ぎないと説いた。つまり、詩人は知者ではなく、神の意志を伝える媒介者であるという立場を取っていた。
この見解は『イオン』などのプラトンの対話篇で描かれており、ソクラテスは詩人を称賛しつつも、理性や哲学によって真理に到達することの方が優れていると考えた。詩人が神に「取り憑かれた」状態で美しい言葉を語ることができても、それはあくまで外的な力に依存したものであり、主体的な知ではないとされる。この立場は、感性と理性、霊感と論理の区別を明確にする試みでもある。
現代においても、芸術家の創作はしばしば「インスピレーション」によるものとされるが、この名言はそれが超越的な力に導かれたものか、人間の内面の深層から湧き出るものかを再考する視点を提供する。さらに、芸術が単に感情の表現ではなく、何らかの真理や価値を伝える手段であることを示唆しており、創作の意味について深い問いを投げかけている。
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