「善き人には、生きていても死んだ後でも、いかなる悪も起こりえない。彼とその者たちは、神々に見捨てられることはない」

ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前470年頃~紀元前399年
  • 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
  • 哲学者

英文

“No evil can happen to a good man, either in life or after death. He and his are not neglected by the gods.”

日本語訳

「善き人には、生きていても死んだ後でも、いかなる悪も起こりえない。彼とその者たちは、神々に見捨てられることはない」

解説

この名言は、徳をもって生きる者には、表面的な不幸があっても本質的な悪は及ばないという、ソクラテスの倫理観と宗教観を明示している。彼にとって「悪」とは、魂を堕落させるものであり、外的な不運や死そのものは本当の意味での悪ではない。この言葉は、死刑判決を受けた後の法廷で語られたとされ、死すらも神の摂理のもとにあるとする信仰と、魂の不滅に対する確信が読み取れる。

この思想は、古代ギリシアの宗教的世界観と哲学的理性が融合したものである。ソクラテスは、神々を道徳的秩序の守護者と捉えており、善を追求して生きる者はたとえ不遇に見えても、神々の庇護のもとにあると信じた。したがって、正しく生きた者には、現世でも来世でも害は及ばないという安心感と覚悟がこの言葉には込められている。

現代においても、この名言は道徳的に生きることの意義を再認識させてくれる。正直さや誠実さが報われないと感じる時代においても、内面の善を保ち続けることが、最終的には最も重要な「守り」であるという教えである。この言葉は、たとえ逆境にあっても、徳と信念を失わない者には、本質的な敗北は存在しないという強いメッセージを含んでいる。

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