「ある人が自らの富を誇っているとしても、それをどう使っているのかが分かるまでは称賛すべきではない」

- 紀元前470年頃~紀元前399年
- 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
- 哲学者
英文
“If a man is proud of his wealth, he should not be praised until it is known how he employs it.”
日本語訳
「ある人が自らの富を誇っているとしても、それをどう使っているのかが分かるまでは称賛すべきではない」
解説
この言葉は、富の価値はその保有そのものにあるのではなく、それをどう使うかにこそあるという倫理的視点を示している。ソクラテスは、富や名声といった外的なものを善とは見なさず、それらが徳に基づいて用いられてこそ、初めて称賛に値すると考えた。この立場からすれば、富を持つことは中立的な事実に過ぎず、その使い道によって善にも悪にもなる。
古代アテナイ社会において、富は政治的影響力や市民の尊敬を得る手段であったが、ソクラテスはそれに警鐘を鳴らした。浪費や自己顕示のために使われる富ではなく、公益や魂の向上のために用いられる富こそが正しく評価されるべきである。この名言には、外見的な栄光よりも内面的な徳を重んじる価値観が貫かれている。
現代においても、この考え方は社会的意義を持つ。たとえば慈善活動や教育支援に富を活用する富豪は尊敬を集めるが、私利私欲のために資産を浪費する者には本質的な尊敬は向けられない。この名言は、資源の倫理的使用こそが人間の評価を決定する重要な基準であるという、時代を超えた教訓を提示している。
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