「逃げることなく、その場にとどまり、敵と戦う者こそ勇気ある人間である」

- 紀元前470年頃~紀元前399年
- 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
- 哲学者
英文
“He is a man of courage who does not run away, but remains at his post and fights against the enemy.”
日本語訳
「逃げることなく、その場にとどまり、敵と戦う者こそ勇気ある人間である」
解説
この言葉は、真の勇気とは困難や危険から逃げずに立ち向かうことであるという、ソクラテスの徳倫理の一端を示している。彼は勇気を単なる感情や衝動的な行動とは区別し、理性と自己の義務に基づいて行動する強さとして捉えていた。この考え方は、当時のアテナイ市民にとって重要な価値であった「軍務」や「公共の務め」に深く結びついていた。
この言葉の背景には、ソクラテス自身の行動がある。彼はペロポネソス戦争において実際に戦場に立ち、自らの命を顧みずに持ち場を離れなかったと伝えられている。また、哲学者としても、不正義や圧力に屈せず、真理と理性を守るために死をも恐れず法廷に立った。このように、「勇気」とは身体的な強さだけでなく、道徳的な一貫性と信念を貫く力でもあると定義された。
現代においてこの名言は、戦場に限らず、企業や社会のあらゆる場面で応用できる。たとえば不正に直面したときに声を上げることや、信念を持って困難な仕事をやり遂げることもまた「逃げずにとどまる勇気」である。このような行動こそが、真に尊敬される勇気ある人間像を形作るのである。
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