「偽りの言葉はそれ自体が悪であるだけでなく、魂をも悪で汚す」

ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前470年頃~紀元前399年
  • 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
  • 哲学者

英文

“False words are not only evil in themselves, but they infect the soul with evil.”

日本語訳

「偽りの言葉はそれ自体が悪であるだけでなく、魂をも悪で汚す」

解説

この名言は、嘘や虚偽が単なる言葉の問題ではなく、人間の内面を腐敗させる深刻な道徳的悪であるというソクラテスの倫理観を示している。彼は真理を追求する哲学者として、言葉は真実を語るための手段であり、虚偽は魂の堕落に直結すると考えた。すなわち、偽りは発言者の徳を損ない、人格そのものを歪めてしまうというのである。

古代ギリシア社会において、弁論術(レトリック)を駆使する詭弁家たちは、しばしば真実をねじ曲げて聴衆を動かしていた。ソクラテスはこれに強く反対し、真実の探究において誠実さは不可欠であるとした。偽りを繰り返す者は、自らの魂の中に悪意や欺瞞の習慣を根付かせ、やがてそれが全人格を支配するようになると警告している。

現代においても、この名言は極めて重要な意味を持つ。政治的な詭弁やSNSにおける偽情報の拡散は、社会の信頼だけでなく、発信者自身の倫理的基盤も損なう。この言葉は、言葉の力と責任を自覚し、誠実さを貫くことの重大さを私たちに教えている。虚偽を口にすることは、一時の利益を得るかもしれないが、魂を蝕む代償は計り知れない

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