「すべての人の魂は不死である。しかし、正しき者の魂は不死であるだけでなく、神聖である」

ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ソクラテスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前470年頃~紀元前399年
  • 古代ギリシャのアテナイ(アテネ)出身
  • 哲学者

英文

“All men’s souls are immortal, but the souls of the righteous are immortal and divine.”

日本語訳

「すべての人の魂は不死である。しかし、正しき者の魂は不死であるだけでなく、神聖である」

解説

この名言は、ソクラテスの魂の不死と徳の価値に対する深い信念を表現している。彼は、すべての人間が死後にも存在し続ける魂を持つと信じていたが、徳をもって正しく生きた者の魂には、特別な尊厳と神聖さが宿ると考えた。ここでは、単なる存在の継続ではなく、「魂の質」が死後においても価値を持つという倫理的・宗教的観点が強調されている。

この思想は、プラトンの『パイドン』において特に顕著である。ソクラテスは死を目前にして、死を恐れるのではなく、魂が善と真理を追い求めたならば、死後においてもそれにふさわしい運命が待っていると語った。すなわち、正義や節制、知恵といった徳を実践した者の魂は、神々に近い存在となるという霊的進化の観念である。

現代においてもこの名言は、人生の目的や倫理的生き方について深く考えさせる力を持っている。死後の世界の有無にかかわらず、人間の価値は肉体の終わりを超えて評価されるべきだという視点は、宗教的伝統や人文主義の両方に共鳴する。ソクラテスのこの言葉は、永遠性の中で徳を持って生きることの尊さと意味を思い起こさせる哲学的・精神的警句である。

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