「男でも女でも、言葉や文字を下品に使っているのは、あらゆることの中でも特にみっともないことだ」

- 966年頃~1025年頃(諸説あり)
- 日本出身
- 作家、随筆家
原文
「男も女もことばの文字いやしう遣ひたるこそ、よろづのことよりまさりてわろけれ」
現代語訳
「男でも女でも、言葉や文字を下品に使っているのは、あらゆることの中でも特にみっともないことだ」
解説
この言葉は『枕草子』に見られる一節で、言葉遣いと教養の重要性を強調した表現である。清少納言は、男性でも女性でも、言葉や文字を粗雑で下品に使うことは、どんな欠点よりも恥ずべきことだと述べている。これは、平安時代における言語文化の高さと、美しい言葉を操ることの社会的価値をよく示している。
当時の貴族社会では、会話や書状における言葉遣いは、その人の品位や教養を表す最も重要な要素であった。和歌や手紙のやり取りは恋愛や人間関係の中核を担っており、そこで下品な表現をすれば、社会的評価に大きく影響を与える致命的な失策とみなされた。この背景を踏まえ、清少納言の指摘は、宮廷文化における言葉の重みを物語っている。
現代においても、この考え方は通用する。ビジネスやSNSなど、文字や言葉を介して人と関わる場面は多く、言葉遣いの印象は信頼や評価に直結する。この一文は、適切で洗練された言葉の選択が、人間関係や社会生活においていかに重要であるかを示しており、千年前から変わらぬ普遍的な教訓を私たちに与えているのである。
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