「好ましい女性と生涯を共にするという想像ほど、理性の警戒心をこれほどまでに誘惑するものは他にない」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”There is, indeed, nothing that so much seduces reason from vigilance, as the thought of passing life with an amiable woman.”
日本語訳
「好ましい女性と生涯を共にするという想像ほど、理性の警戒心をこれほどまでに誘惑するものは他にない」
解説
この言葉は、魅力的な愛情の幻想が、理性の働きを鈍らせてしまう強力な力を持つことを示している。理性的であろうとする人間も、「愛すべき女性との理想的な生涯」という情緒的な夢には容易に心を奪われ、冷静な判断を失う。ジョンソンは、愛の甘美なイメージが人間の判断力をいかに脆くするかを警告しているのである。
18世紀の思想界は、理性を重んじる啓蒙主義の時代であったが、その一方で恋愛や情念が理性の秩序を乱す危険性も認識されていた。ジョンソンは、恋愛を否定しているのではなく、それが理性の自信や自制心すら揺るがすほど魅力的な幻想であることを認めている。この発言には、理性と感情のせめぎ合いに対する深い理解が表れている。
現代においても、この言葉は鋭い真実を含んでいる。恋愛感情や理想的な関係の幻想は、人の思考や選択を大きく左右する。ときにはキャリア、価値観、人生設計すら変えてしまうこともある。ジョンソンの言葉は、愛情が理性に与える影響の大きさと、それに対する慎重な自覚の必要性を教える、普遍的な人生の警句である。
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