「相反する善があり、両方を同時に得ることはできないが、あまりにも慎重すぎると、両者の間を通り過ぎて、どちらにも手が届かなくなることがある」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”There are goods so opposed that we cannot seize both, but, by too much prudence, may pass between them at too great a distance to reach either.”
日本語訳
「相反する善があり、両方を同時に得ることはできないが、あまりにも慎重すぎると、両者の間を通り過ぎて、どちらにも手が届かなくなることがある」
解説
この言葉は、人生において選択を避けすぎると、結局は何も得られないという教訓を含んでいる。ジョンソンは、善と善がしばしば相反する形で現れる現実を見据え、「慎重すぎる判断」が行動の機会を逃す最大の要因になり得ると警告している。選択には必然的に犠牲が伴うが、それを恐れて中立を保ち続けると、結果的にどちらの善にも到達できないという逆説的な指摘である。
18世紀の道徳思想において、慎重さ(prudence)は徳とされていたが、ジョンソンはそこに落とし穴を見出した。つまり、理性的判断が過剰になると、勇気ある決断ができなくなるということである。この考え方は、時代の理性主義に対するバランス感覚を保とうとした彼の哲学的立場を示している。
現代においてもこの名言は強い説得力を持つ。たとえば、キャリア選択や人間関係など、相容れない選択肢の狭間で迷うあまり、決断を引き延ばして好機を逃す人は少なくない。ジョンソンのこの言葉は、時には果断に踏み出す勇気こそが、善への到達には必要であるという真理を教えてくれる。
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