「旅の効用は、想像を現実によって律し、物事がどうであるかを思い描くのではなく、実際にそれを見ることにある」

サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1709年9月18日~1784年12月13日
  • イギリス出身
  • 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家

英文

”The use of travelling is to regulate imagination by reality, and instead of thinking how things may be, to see them as they are.”

日本語訳

「旅の効用は、想像を現実によって律し、物事がどうであるかを思い描くのではなく、実際にそれを見ることにある」

解説

この言葉は、旅の真の価値は想像と現実の隔たりを埋めることにあるという考えを示している。人は書物や噂から異国の姿を想像するが、それは多くの場合、誇張や誤解を含んでいる。実際に訪れることで初めて、事物をありのままに認識でき、想像は現実に矯正される。ジョンソンは、旅を認識を深める手段として捉えていたのである。

18世紀は「グランドツアー」と呼ばれる教育的旅行が盛んで、知識人や貴族の子弟は外国を訪れて見聞を広めた。ジョンソンのこの言葉は、その風潮の中で生まれたものであり、単なる娯楽ではなく、現実を通して思考を正す啓蒙的な学びとしての旅の意義を強調している。

現代においても、この言葉は有効である。インターネットや映像で世界の情報を容易に得られるが、それはあくまで間接的な理解に過ぎない。実際に現地に立ち、人々と交流し、風土を体感することで初めて得られる認識がある。ジョンソンの言葉は、直接経験の不可欠な価値を説く普遍的な教訓なのである。

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