「記憶の役割は、収集と配分の二つである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”The two offices of memory are collection and distribution.”
日本語訳
「記憶の役割は、収集と配分の二つである」
解説
この言葉は、記憶の機能を二分して捉えた実用的な洞察である。人間の記憶はまず情報を「収集」することから始まり、その後必要に応じて他者や自分自身に「配分」する、つまり想起や表現として出力される。ジョンソンはこの構造を簡潔に言い表し、知識は蓄積と活用の両面で成り立つことを強調している。
18世紀の教育や学問において、記憶は知識習得の基礎とみなされていた。しかしジョンソンは、単なる暗記ではなく、記憶したものを適切に取り出し、用いることこそが重要であると指摘する。この発想は、彼が辞書編纂者や批評家として活動する中で、知識の整理と活用の重要性を痛感していたことに由来すると考えられる。
現代においても、この洞察は教育や学習の基本に通じる。情報を集めるだけでは不十分であり、必要な場面で適切に活用する能力が求められる。例えば、学んだ知識を他人に説明することや、問題解決に応用することは「配分」に当たる。ジョンソンの言葉は、記憶を「貯蔵庫」ではなく「資源の流通システム」として捉え、知識の生かし方こそが真の知恵であると教えているのである。
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