「人生とはそのようなものだ。人は変化を予期しているときだけ幸福である。変化そのものには価値はなく、一度それを成し遂げれば、次にはまた別の変化を望むのだ」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Such is the state of life, that none are happy but by the anticipation of change: the change itself is nothing; when we have made it, the next wish is to change again.”
日本語訳
「人生とはそのようなものだ。人は変化を予期しているときだけ幸福である。変化そのものには価値はなく、一度それを成し遂げれば、次にはまた別の変化を望むのだ」
解説
この言葉は、人間の欲望と幸福の本質を描き出している。人は現状に満足することが難しく、常に新しい変化を求める。変化を待ち望む間は希望に満たされるが、実際に変化が訪れるとその充足感はすぐに消え、再び次の変化を欲する。つまり、幸福は変化そのものではなく、それを期待する心に宿るという逆説である。
18世紀の啓蒙思想においても、人間の欲望の尽きなさは繰り返し論じられた。ジョンソンはその現実を冷静に観察し、満足は永続せず、欲望は常に新しい対象を探し続けると指摘した。これは人間の本性に対する懐疑であり、同時に哲学的な警句でもある。
現代においても、この洞察は鮮明である。消費社会や情報社会では、新しい商品や体験への期待が人を駆り立てるが、手に入れた瞬間にその価値は薄れ、「次」を求める欲望が生まれる。ジョンソンの言葉は、人間の幸福が「到達」ではなく「追求の過程」にあることを明らかにし、欲望と満足の無限の循環を鋭く示しているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「サミュエル・ジョンソン」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い